作品について
私が彫刻に使う素材は、現実の世界に実在する物質です。
その現実世界のマテリアルを加工して新たな姿に変えることが、彫刻作業の一つだと言えます。
しかし私の場合は、もうひとつ違った価値を作品に付加したいと考えています。
眼に見えて美しいことのみにあらず、それは例えば、温もりや儚さ、懐かしさや切なさのような、物質とは遠く離れた所にあるように感じられるもの、それらを実在のマテリアルに同居させることです。(それは私の写真を元にした作品でも同様です。)
優れた作品は「彫刻」や「写真」というイメージや概念から離れて、さらにもう1つか2つの新たな価値を備えているのではないでしょうか。